「わかっている時間」という、無駄
予備校講師時代、私は90分の授業を担当していました。
しかし、そのうち45分は——正直に言えば、多くの生徒がすでに理解している内容の「確認」に費やされていました。
大人数を教える以上、そこは端折れません。 でも、わかっている生徒にとって、その時間はほとんど意味がない。
仮に毎週45分の無駄が発生するとして、
45分 × 年間40回 = 1,800分 = 30時間
30時間あれば、国語なら50〜60問もの読解演習ができます。
わかっていることの確認よりも、新しい問題にどんどん挑戦する。 その方が、圧倒的に効率的なのです。
だから、ARCAは集団授業を原則として行いません。
無学年制 × 個別演習という選択
ARCAでは、「高3は〇時から●時まで」といった学年別・クラス別の授業は行いません。
指導時間の枠を設定し、その中で自由な時間に来て、自由な時間に帰ってもらう。 同じ時間帯に、小学6年生もいれば、中学生も、高校生もいる。その日に与えられた課題が終われば1時間で帰ってもいいし、理解できるまで帰りたくないと思えば3時間でもいていい。
そんな無学年制を採用しています。
そして、基本は個別演習形式です。
生徒一人ひとりに、塾長自らが学習カリキュラムを設計します。 それに沿った問題演習を行い、解答はすべて塾長が直接チェック・採点します。
国語の力がつく「瞬間」は、どこにあるのか
間違えたところ、つまずいたところ——
そこで、すぐに答えは教えません。
代わりに、「考え方」や「ヒント」を提示します。 それをもとに、もう一度解き直してもらいます。
実は、国語の学力がつく瞬間は、ここなのです。
間違えた問題は、強烈に生徒の精神や記憶に食い込みます。 脳は「理解したい」というモードに入ります。 思考が、戦闘態勢になる。
そのタイミングで、考え方を与える。 そして、自力で正解を導き直す。
この過程こそが、強靱な思考力を育てるのです。
指導者に、求められるもの
こうした個別演習形式は、指導者の能力が試されます。
- 生徒のつまずきや思考のクセを瞬時に見抜く力
- ヒントを適切に言語化する力
- 間違いの中から、課題解決能力ややる気を引き出すコーチング力
- 気軽に質問しやすい雰囲気を作るコミュニケーション力
自塾を開くからには、そうした能力は最低限持っている自負があります。
そして、この能力は生徒の指導に関われば関わるほど、増進するものだと考えています。
座っているだけでは、力はつかない
60分、90分、椅子に「お利口」に座っているだけでは、まともな力はつきません。
その生徒に個別最適化された学習計画のもと、その日の課題を真剣に、全力で仕上げる。 最後は「先生のヒントを得ながらでも、ほとんど自力で解答にたどりついた」という収穫を得て帰宅する。
その積み重ねが、生徒の国語の力を最大限開花させるのです。
だから、少人数制です
もちろん、この指導方法では一度に多くの生徒を見ることはできません。
今の私の能力では、常時4〜5人を見るのがサービスの質を担保できる限界です。
各曜日の指導枠には限りがあります。
それでも——いや、だからこそ。
一人ひとりに、本気で向き合える。
それが、ARCAの指導です。
学習環境を、守るために
ARCAは、少人数制だからこそ守りたい環境があります。
集中できる空間であること。
小学生であっても、高校生であっても—— 塾内で静かに学習できない生徒、居眠りをしてしまう生徒の受け入れはお断りしています。
これは厳しいルールではなく、真剣に学びたい生徒を守るための約束です。
一人ひとりが集中し、それぞれの課題に全力で向き合う。 そんな空間を、共に作っていきたいのです。
スマートフォンについて
入室時には、スマートフォン・携帯電話を専用の収納ケースに入れていただきます。
「ちょっと調べ物を」「ちょっと連絡を」—— その「ちょっと」が、集中を途切れさせます。
ARCAの教室では、外部環境との接触を断って、ひたすら目の前の問題や課題に向き合ってほしいのです。
保護者の方からの緊急連絡は、塾長の携帯で承ります。 また、生徒からの発信・通話が必要な場合(例:保護者への帰宅連絡など)は、許可の上で認めますので、遠慮なくお申し出ください。
音の環境について
個別演習形式のため、塾長と生徒の対話の声が聞こえることがあります。
もし他の生徒の指導の声が気になる場合は、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンやヘッドホンの使用が可能です。
ただし、音漏れへの配慮をお願いします。 また、聴くものは自然環境音、集中力を高めるBGM、クラシック音楽といったものに限ります。 歌詞のあるものは禁止とさせていただきます。 (脳が言語処理をしてしまうため、国語学習の妨げになるためです)
これらは「縛り」ではなく、全員が最高の学習環境で力を伸ばすための工夫です。
ARCAは、本気で学ぶ生徒を、本気で応援します。
