今回は、大問3・大問4についてお話しします。国語における最重要の大問になります。
大問3(推定配点45点)
基本的に論説文が出題されます。広義の言語を論じた文章がよく出題されている印象ですが、大学入試顔負けのレベルの近代論が出題されたこともあります。小学生が読むにはややハードルの高い文章が出ることも想定して準備しておくことが必要です。設問は漢字・語彙・内容合致問題・選択肢問題・記述問題・複数テクスト問題など多彩で、さまざまな設問類型に対応できる力が求められると言えるでしょう。質・量ともに九州最難関の中学にふさわしい硬派な問題です。旧帝大レベルの受験生が解いても「歯ごたえがある」と思うような問題レベルと思ってもらえればわかりやすいかもしれません。
【対策】
多様なジャンルの文章に触れて、どんなテーマが出ても議論についていける知的体力を養うことが最も重要です。
言語論が多く出題されているので、『世にもあいまいなことばの秘密』(川添愛/ちくまプリマー新書)、『言葉が変われば社会が変わる』(中村桃子/ちくまプリマー新書)など、言語をテーマにした本を読んでおくのも役立ちます。
文章は構造的・論理的なので、本文の展開を自分で図解チャートにしてみることで、自分の読解の航跡を可視化する学習が効果的です。自分の読解をメタ的に認識することで、複雑な論理に対応する力が身につくからです。
設問は非常に多彩です。記述問題は本文の表現をうまく使えば書けるものがほとんどですが、自分なりに表現を工夫して書かなければならないものをまれに出題されています。答案をしっかりと添削してもらう中で、高得点のとれる解答作成力を養っていくことが大切です。選択肢問題については、かなり細かい部分の読み取りが求められることがあります。本文の記述と選択肢を丁寧に照合する練習を反復することで対応できると思いますが、限られた解答時間の中で冷静に処理するには相当な練習をこなして自信をつける必要があるでしょう。
目標点数は45点中35点をクリアしたいところです。基本問題で約20点ほどは取れると思うので、学習量豊富な受験生ならばそれほど高いハードルではありません。
大問4(推定配点45点)
文学的文章(小説・随筆)が出題されます。近年はほぼ小説で、随筆の出題頻度はそれほど高くありません。
小学生から高校生くらいの主人公の現代小説がよく出題されているのが特徴的です。受験生にとっては自分の延長上の近しい存在なので、作品世界の理解はそれほど難しくはないと思いますが、繊細な機微を描いた味わい深い物語であることが多く、単に文字面を読んでいるだけの受験生にはそのあたりを理解することは難しいでしょう。
出題傾向としては受験生が感情移入しやすい「少年少女もの」が多いですが、まれに古い時代の小説が出題されることもあります。時代状況や言葉遣いも現代とは異なりますので、受験生としては読みにくいと思われます。
設問としては記述問題が多いのが特徴的です。いわくいいがたい感情を言語化することが求められることもあり、難易度は高めといっていいでしょう。そのほかに、選択肢問題や抜き出し問題、慣用句の知識を問う問題など定番の設問も含まれています。
【対策】
現代の「少年少女もの」が出題されやすいことに鑑みれば、少年少女を主人公にした軽めの小説をたくさん読んでおくのが効果的です。小説対策は、問題集ベースでおこなうよりも、読書ベースでおこなうのが実はもっとも近道だと思います。文章理解も、人物の心の機微も、「読書経験にものを言わせる」という王道でいくのが最適解です。なぜなら、複雑な機微を理解できるようになるには、ある程度の読書経験のなかで主人公に共鳴・共感し、自らを投影することで「そうした感情があることを追体験する」のが実は手っ取り早いからです。このあたりを問題集や塾のテキスト「だけ」で身につけようと思っても、まず無理でしょう。
なお、やや古めの小説が出題される可能性もゼロではありませんから対策を講じておきましょう。
明治・大正~戦前・戦中・戦後・高度成長期といったあたりの時代設定の小説は、小学生にとっては「未知の世界」です。
まずはその時代ごとのイメージが視覚的につかめるように、映画を鑑賞するといいと思います。
(明治時代)
『北の零年』(行定薫・監督/吉永小百合・主演 2005年)……明治初期の北海道を舞台に「開墾」を描いた物語。
『剱岳 点の記』(木村大作・監督/浅野忠信・主演 2009年)……明治時代末、陸軍の測量部が剱岳登頂に挑む姿を描いた物語です。原作は新田次郎の小説なので、映画鑑賞の後に原作を読むのもいいでしょう。
(大正時代~昭和初期)
『カツベン!』(周防正行・監督/成田凌・主演 2019年)……無声映画に息を吹き込む「活動弁士」の活躍を描いたコメディ。当時の雰囲気もよく再現されており、時代のイメージを作るのに最適です。
『この道』(佐々部清・監督/大森南朋・主演 2019年)……詩人・北原白秋と作曲家・山田耕筰の友情を描いた感動作。大正モダンの雰囲気あふれる映像表現、関東大震災の被災の様子、少しずつ近づく軍靴の音……。さまざまな感情が交錯する物語なので、小説読解の活きた映像教材として最適です。
『風立ちぬ』(宮崎駿・監督 2013年)……堀辰雄の小説『風立ちぬ』を題材としたジブリ作品。時代は大正末期から昭和初期にかけての設定です。関東大震災、世界恐慌、太平洋戦争開戦前夜といった時代状況がアニメとしてよくつかめる作品です。
(戦中・戦後)
『火垂るの墓』(高畑勲・監督)……もう説明不要ですね。最近は金曜ロードショーで再放送されることもめっきりなくなってしまいました。太平洋戦争の時代のイメージがよくつかめますし、残虐な描写もほとんどないので小学生の子どもも視聴して大丈夫です。
『男たちの大和』(佐藤純彌・監督/反町隆史 中村獅童 松山ケンイチ・主演 2005年)……戦艦大和の乗組員たちの友情を描いた大作です。少し残虐なシーンがあるので、耐性のない子どもは少し辛いかもしれません。
『この世界の片隅に』(片淵須直・監督 2016年)……アニメ作品です。こうの史代さんの漫画が原作です。太平洋戦争中の広島を舞台に、ささやかながらも日常をなんとか守り暮らしていこうとする姿を描いた作品です。戦争の悲惨さに焦点を当てるだけでなく、当たり前の日常の尊さを描き出しています。
『佐賀のがばいばあちゃん』(倉内太・監督 吉行和子・主演)……原作は島田洋七です。戦後間もない広島で育った少年・昭宏が佐賀の祖母のもとに預けられ、貧乏ながらも明るく生き抜こうとする姿を描いた名作です。
(高度成長期)
『ALWAYS 三丁目の夕日』(山崎貴・監督 吉岡秀隆・主演 2005年)……高度成長期の東京を舞台に、売れない小説家・茶川と、彼が預かることになった少年・淳之介の交流を描いた感動作。1960年前後の東京の雰囲気が丁寧に映像化されていますので、時代のイメージをもつのに非常におすすめです。
こうした映画作品を鑑賞することで、古い時代の舞台設定の小説が出題されても具体的にイメージをもって読むことが出来るようになります。勉強の息抜きにご家族で1作ずつ視聴してください(いずれの作品もR指定を受けていませんので大丈夫かと思いますが、心配であれば事前に早回し等で見せたくない描写がないか確認してください)。
Arcaの小説読解指導では、物語世界の構造を正確に理解する訓練、人物の心情を適切に把握する訓練を徹底して積ませていきますので、小説問題はきっと得意分野にすることができるはずです。
さて、設問対策ですが、記述問題の多さが受験生としてはネックになります。しかし、物語そのものをしっかりと理解できていれば、解答の方向性やイメージを作ること自体はそれほど難しいことではありません。難しいのは、解答のイメージを「言語化」することです。これについても、短答式の設問を数多くこなしてもらうなかで自然と身についていく力だと思っています。ぜひArcaにお任せください。
目標点数ですが、45点中30点をクリアしたいところです。
以上を整理すると、
大問1 目標点 12点
大問2 目標点 25点
大問3 目標点 35点
大問4 目標点 30点
→合計102点(150点満点)
となります。安全圏の100点をしっかり超えています。
どの大問でどのくらい得点するのか(逆にいえばどのくらいまで失点していいのか)、その得点を取るためには何をどのくらい学習すればいいのかを逆算して学習プランニングをしていくことができれば、最低1年あれば誰でも合格圏に到達することができるはずです。
九州最難関の久留米大学附設中の対策はARCAにお任せください。

コメントを残す